バイクが重くて押し引きが大変です

バイクの押し引きのコツとは?

バイクは重い、当たり前と言えば当たり前ですが、それをうまく操れるようにならないと、立ちごけのリスクなど安全面に問題を抱えることになりかねません。
とくに注意が必要なのが、バイクに乗らずに移動させる押し引きです。
自宅の駐車場からバイクを出す場合だけでなく、サービスエリアなど一時的に滞在した先でこの押し引きが必要になることも多いので、外出先で困った状況に陥らないためにもコツを身につけておきましょう。

まずこれはバイク乗りの鉄則ですが、腕力に頼らないのが第一です。
250ccのバイクでも、150kgを超える重量のものが珍しくありません。
となると、腕の力だけでなく、全身をうまく使って押し引きを行っていくのがポイントとなってくるのです。

その鍵を握るのが、腰の位置です。
バイクを少しだけ自分の体へ傾けたうえで、腰で支える姿勢をとってみましょう。
実際にやってみると、驚くほど簡単にバイクを安定した状態で支えられることがわかるはずです。

この「腰でバイクを支える」姿勢を維持し、体全体を前に押し出す感覚でバイクを動かしてみましょう。
ここでも腕力や脚力に頼って動かすのではなく、体をちょっと前のめりにしたうえでごくごく自然と体を移動させていくような感覚で動かしてみましょう。

なお、その際には右手をブレーキレバーにかけた状態でゆっくりと動かすようにしましょう。
簡単に動かせるからといって調子に乗っていると、スピードが早くなってバランスを崩してしまう恐れがあるからです。
理想としては、右手の人差し指だけをブレーキにかけた状態で動かせるようになりたいところです。
あまり力をこめてブレーキを握ってしまうと、今度は全体の体のバランスを崩しやすくなるので気をつけましょう。

さらに難易度が高いバックのやり方のコツは?

姿勢と体の動かし方・力の込め方をしっかり心がけていれば、押し引きはそれほど難しくありません。
より難易度が高いのはバックで、腰でバイクを支えながらバックさせるのが難しく、どうしても体をバイクから離した状態で動かしていく必要があるからです。

ポイントは一方の手(右利きの場合は通常左手)で(左)ハンドルを握り、右手をシートに乗せる姿勢を維持することです。
ここでもやはり、腕力や脚力で動かすのではなく全身を使って動かしていきましょう。
シートを支えている右手に体の重心を傾けていくような感覚です。

バイクのバランスが保たれているかをつねに確認しつつ、この姿勢で少しずつバックさせていきましょう。
全身と体重をうまく乗せながら動かせば、思いのほかスムーズにバックさせることができるはずです。
バックの方は、ちょっと慣れが必要かもしれません。
まずバランスを保ちながらバイクを支えられる姿勢を身につけるところからはじめて、それができるようになったうえで動かしていく練習をしてみるとよいでしょう。