ボルトはどのくらい締めればいいのでしょうか

ボルトの規定トルクを確認してから締める

冬が到来するとスタッドレスタイヤに履き替える必要がある地域もあり、タイヤ交換を自分でされる方も多いです。
また、バイクのメンテナンスをする時には、パーツを脱着して交換したり洗浄したりすることもあるでしょう。
このような作業では、ボルトを締める機会が多いのですが、気を付けないといけない点があります。
それは締め付け過ぎないようにするということです。

ボルトが緩い状態ではタイヤが脱落してしまうとか、パーツが外れてしまうという大きなトラブルが起きるので、しっかりと締めるよう意識していることが多いはずです。
しかし、そのことばかりを考えているとついつい強く締めすぎてしまう可能性があるのです。

ボルトの締め過ぎは、ねじ山の潰れやハブボルトの破損につながります。
たとえばタイヤを交換する場合、たまにレンチを足で踏み付けて増し締めする方がいて、その際にボルトが締まる強い音が鳴ることもあります。
そうなると、明らかに締め過ぎでボルトに強い圧力がかかってしまいます。

こうした事態を避けるために、ホイールナットなどには規定トルクというものが定められています。
つまり適正な締め付け具合を示す数値で、通常「キロ」か「N.m」という単位で表示されます。
ホイールの規定トルクは製品や自動車の重量などによっても違うのですが、普通車サイズの場合は10から12キロ、100N.mから120N.m程度のトルクとなっています。

このようにある程度の幅があるのですが、ほとんどの車種はタイヤ交換をする場合、最初は10キロ、100N.mで締めれば問題ありません。
その後、慣らし走行をした後に増し締めをすることで確実に装着できます。

規定トルクでの締め付けをするにはトルクレンチを使う

それぞれに定められたトルクで締めることが大事なのですが、具体的にどうやれば良いかというのが問題です。
通常のレンチではどのくらいの力がかかっているのか分からないので、正確に締めるのは不可能です。
もちろんプロの作業員の中には、長年の経験で腕にかかる力などで大体のトルクを把握できることもありますが、素人では難しいですし正確ではありません。

そこで、トルクレンチというツールを使うことをおすすめします。
これは見た目は通常のレンチなのですが、バーの部分に目盛りが付いているのが特徴です。
この目盛りを規定トルクの数値に合わせてからボルトを締めます。
すると、目盛りで合わせたトルクになるとカチっという音がなります。
この音が規定トルクで締めることができたという合図ですので、その時点で締めるのをやめればちょうど適正な圧力で締められたということになります。