メンテナンス工具

チェーンメンテナンスの基礎知識

なぜ必要?チェーン清掃と注油の役割と頻度

バイクのドライブチェーンは、エンジンの動力を後輪に伝えるための最も重要なパーツの一つです。しかし、常に外部に露出しており、雨や泥、ホコリなどの過酷な環境にさらされているため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

もしメンテナンスを怠って油分が切れたり汚れが蓄積したりすると、チェーンの動きが渋くなり、燃費の悪化やパワーダウンに直結します。最悪の場合、走行中にチェーンが切れて重大な事故につながる恐れさえあるのです。

メンテナンスの頻度としては、一般的に走行距離500kmから1,000kmごとに行うのが理想的とされています。また、距離に関わらず雨天走行後や洗車後には必ず油分を補給する必要があります。こまめな清掃と注油は、チェーン自体の寿命を延ばすだけでなく、スプロケットの摩耗も防ぎ、結果としてランニングコストを抑えることにもつながります。

愛車のコンディションを保つために、まずは愛車のチェーンの状態を目視で確認する習慣をつけましょう。

初心者でも簡単!正しい洗浄と注油の手順

チェーンメンテナンスは特別な技術がなくても自分で行うことができますが、正しい手順と道具選びが重要です。まず準備するのは、チェーンクリーナー、チェーンルブ、ブラシ、ウエスの4点です。特にクリーナーは、現代のバイクの多くに採用されているシールチェーンに対応したものを選んでください。非対応の強力な溶剤を使うと、内部のグリスを封入しているゴム製のシールを痛めてしまうため注意が必要です。

作業手順は、まずクリーナーを吹きかけ、ブラシで汚れを浮かせます。その後、水やクリーナーで汚れを洗い流し、ウエスで水分をしっかり拭き取って乾燥させます。完全に乾いたら、チェーンルブをチェーンの内側に向けて、一コマずつ丁寧に吹き付けます。

最後に余分な油分を拭き取るのがポイントです。余分な油は走行中の飛び散りの原因になり、タイヤやホイールを汚してしまいます。なお、作業効率を上げようとしてエンジンをかけてタイヤを回転させるのは、指を巻き込む危険性が極めて高いため絶対にやめましょう。

トラブルを防ぐ張り調整の重要性と点検方法

清掃と注油に加えて忘れてはならないのが、チェーンの張りの確認です。金属製のチェーンであっても、走行を重ねるうちにピンやローラーが摩耗し、全体が徐々に伸びてきます。チェーンが伸びすぎてたるみが大きくなると、加減速時のショックが大きくなったり、走行中にチェーンが外れたりする危険があります。逆に張りすぎていると、サスペンションの動きを妨げたり、シャフトやベアリングに過度な負担をかけて破損の原因になったりします。

適切な張りの目安は車種によって異なりますが、一般的にはチェーンの中央付近を指で上下に動かした際、20mmから30mm程度のあそびがある状態が適正とされています。スイングアームに貼られたステッカーや取扱説明書で規定値を確認してみましょう。

ただし、張り調整にはアクスルシャフトを緩めるなどの作業が必要で、左右のバランス調整もシビアです。トルク管理やアライメント調整に自信がない初心者のうちは、無理に自分で調整しようとせず、バイクショップに依頼することをおすすめします。プロに任せることで、同時にスプロケットの摩耗具合なども点検してもらえます。