直接水をかけると故障の危険がある部品
バイクは屋外を走行するための乗り物なので、基本的には雨雪があっても走行ができるように作られています。
ですがバイク本体の大半がスチールでできていることから、水濡れがあるとどうしてもサビが発生しやすくなってしまいます。
サビ以外にも水に濡れることで様々な不具合が生じるリスクのある部分があるので、洗車など自分で水をかけるときには必要以上に内部に水が入らないように気をつける必要があります。
基本的な考え方としては、バイクのパーツの中で水濡れに弱い部分は「通常の雨天走行で雨が入り込むことがない場所」となっています。
具体的にはタンクの下側やヘッドライトなど電装部からの配線接続部分、マフラーの排気口、カウルやサイドカバーの内側、シートの下、その他素材の異なる部品のつなぎ目などといったところが挙げられます。
こうしたところは水はね程度の濡れ方になら対応することができますが、例えば圧力ホースを使った水をかけたりするというようなやり方では防水をすることができません。
洗車をするときについピカピカにしようとして普段手を入れないような隙間の部分に水を入れようとする人がいますが、そうしたことをすることで逆にバイクを傷めてしまうこともあるので気をつけたいところです。
言い換えれば、バイクの洗車をしようとして、高い圧力の水をかけて汚れを落とそうという発想はしないで欲しいということになります。
洗車をするときには上から下に向かって洗うようにし、無理に下側や後ろ側から細かい部分に水や洗剤を入れないようにしてください。
古い中古バイクはなおさら注意が必要
バイクの水濡れは古いバイクの方が危険度が高くなります。
というのも古いバイクは現在と比較して電装部分が十分にカバーされていなかったり、劣化のためプラグの接続部分が弱くなっていることがあるからです。
水浸しになってしまうことで漏電や着火しにくくなるといった不具合が出る危険があります。
当然雨に濡れたあとも同じで、電装部分や動力部分に雨が入り込んでいたらすみやかに水気を飛ばして早めに乾かすようにしましょう。
もし雨天走行の後にどうもバイクの調子がよくないと感じるようなことがあったら、それは水が電装部に入り込んだということも考えられるので電力をチェックできる設備のあるところで調べてみてください。
それと、バイクに水をかけるときにエンジンの熱が冷めないうちに行うとそれが原因でパーツが歪むことがあります。
鉄などの金属類は急激に温度が変わると状態が劣化をしてしまうので、水濡れによる汚れを落とすにしてもあまり走行直後に行うようなことはせずある程度時間をおいてから行うようにしてください。