エンジンの冷却水を交換する方法は?

冷却水の役割と一般的な交換時期

起動中のエンジンは内部で絶え間なく燃焼が繰り返されることから、長時間使用していると非常に高温になってしまいます。
そこでエンジン内部の熱を冷やすために冷却液(LLC:ロングライフクーラント)という液体を使用するしくみとなっています。

この冷却水は使用をしているうちに少しずつ減少していくので、一定以下にまで落ちてしまうと正常な冷却機能を得ることができなくなってしまいます。
冷却液が機能しなくなるとエンジンが異常高温となり、オーバーヒートから動作ができなくなるので旅先などで急にエンジントラブルにならないためにも普段からメンテナンスをしておきたいところです。

ちなみにこの冷却水が使用されているのは「水冷エンジン」と言われるタイプで、ハーレー・ダビッドソンやヤマハのドラッグスターといったV型ツインエンジンなどは空冷方式をとっています。

もっともここ近年のバイクは水冷でないものを探す方が難しいくらいになっているので、新車として販売されているバイクなら冷却水の管理は欠かせません。

一般的には冷却水は2年に1回のペースで交換をするのがよいとされています。
ただし直接エンジン内部の部品に触れるエンジンオイルと異なり、冷却水はあくまでも部品を冷やすために用いるので必ずしも定期的に交換をしなければならないというわけではありません。

ここ近年では水冷エンジンの性能も高くなってきており、廃棄される冷却水の処理の問題もあって製品によってはかなり長く交換をしなくてもよいものも出てきています。

自分で簡単にできる冷却水の交換

冷却水の交換は普通修理工場などに依頼をするものですが、少しバイクの仕組みがわかっている人であれば簡単に交換をすることができます。

ざっくりとした流れとしては、冷却水が入っているタンク部分のドレンボルトを外して古くなった冷却水を抜き取り、変わりにラジエターキャップから新しい冷却水を注入します。
最後に車体を傾けるなど動かして内部の空気を抜いたらできあがりとなります。

このエア抜きをきちんとしないと内部に空気部分の空白ができたまま冷却水を補充してしまうので、動作をさせてみたら冷却水の不足が起こる危険があります。

問題はラジエターの配置場所がバイクによって異なるということで、初めて交換をするときには取扱説明書などを見てタンクの場所を見つけて適切に排出をしていかないといけません。

なお冷却水の交換は走り終えた直後に行うと非常に高熱となっているので、しばらくおいて冷却水自体が冷えてから交換をするようにします。

LLCはバイクショップもしくはホームセンターなどで販売されている緑色の液体で、使用する前にその製品の仕様に応じて水で薄めるなどして使います。